2021年劇場版「呪術廻戦0」のエンディング曲となったKing Gnuさんの「逆夢」。
映画でこの曲を聴いた際には、感極まって涙が止まりませんでした。
そんな不思議な魅力を持つKing Gnuさん「逆夢」の歌詞の意味を徹底調査してみました。
◆King Gnuの音楽性
King Gnuさんといえば、2019年の「白日」で大ブレイクを果たした”トーキョー・ニュー・ミクスチャー・バンド”です。
“ミクスチャー・バンド”とは、”混合されたバンド”のこと。
つまり、あらゆるジャンルの音楽が融合されてできているバンドのことを指します。
King Gnuさんは東京藝術大学に進学した常田大希さんを初めとし、
- クラシック
- ブラックミュージック
- ジャズ
- ラテン
- フォーク
のように様々な音楽性を取り入れながら楽曲制作をしている凄腕バンドです。
元々は常田大希さんが音楽知識を存分に活かした、玄人向けの音楽構成バンド「Srv.Vinch」という名前で活動していました。
その音楽性に魅了され、メンバーが集まって2017年に完成したバンドが「King Gnu」。
その後路線をJ-POPで売れる方向へとシフトし、今に至るという訳です。
わずか2年でここまで有名バンドになったのも、偶然ではなく計算通りなのでしょうか。
日本人がわかりやすい音楽構成でありながらも、洋楽のお洒落感・新しさを感じさせる音楽が多くの人を虜にしたと考えられます。
◆「逆夢」歌詞解説
この「逆夢」は劇場版「呪術廻戦0」のために書き下ろされた曲で、主人公”乙骨憂太”と”祈本里香”の恋物語を描いたものです。
主人公の乙骨憂太は、幼い頃に結婚の約束を交わした祈本里香を交通事故で亡くしてしまいます。
幼き頃と言えども、大好きだった人を亡くす悲しみは受け入れ難い出来事です。
現実を受け入れることができなかった乙骨憂太は、愛が故に呪いを生み出し、祈本里香に取り憑かれてしまいます。
呪いを自身でコントロールできず、周りの人間に危害を加えてしまうことに酷く心を苦しめられた乙骨憂太は、存在意義を失くし生きる気力を失いかけていました。
「あなたが望むなら この胸を射通して
頼りの無い僕もいつか 何者かに成れたら」
「訳もなく 涙が溢れそうな
夜を埋め尽くす 輝く夢となる」
毎晩自分が生きる意味とは何か、そんなことを考えながらどこかでは”生きてて良い”と思いたいという心が現れています。
「白い息は頼りなく 冬の寒さに溶けて消えた
あの日の重ねた手と手の 余熱じゃあまりに頼りないの」
「春はいつだって 当たり前の様に
迎えに来ると そう思っていたあの頃」
季節が巡り、当たり前に幸せな日常を過ごせると思っていたけれど、祈本里香を亡くしたことで乙骨憂太の時間は止まったまま。
孤独を抱えて生きる苦しさが綴られています。
2番でも同じく乙骨憂太の”生きる”ことに対する葛藤、祈本里香への愛が見事に表現され、言葉の重みを感じました。
「この愛が例え呪いのように
じんわりとじんわりと この身体蝕んだとしても」
「心の奥底から あなたが溢れ出して
求め合って重なり合う その先で僕ら夢と成れ」
呪いで繋がっていたにせよ、そこに”愛”が存在しているのは確かです。
互いに求め合い、全てを捧げる覚悟で存在意義と戦い続ける乙骨憂太の想いが見られます。
祈本里香を恐れ、周りの人とも距離を起き、独りで生きていこうとした乙骨憂太が前を向こうと必死にもがく姿は感動以外の何ものでもありません。
「正夢でも 逆夢だとしても」
乙骨憂太が求めている世界は正夢かもしれませんし、逆夢かもしれません。
祈本里香の死と愛情を受け入れることは、必ずしも幸せということにはならないでしょう。
“輝く夢”は一体どちらなのか、深く考えさせられる言葉です。
◆まとめ
今回はKing Gnuさんの「逆夢」について歌詞の意味を亭々調査してみました。
映画のエンディングだけあって、非常に深い思いが込められた楽曲になります。
このことを知ってから映画を見直すとさらに感動が深まると思います。
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