今人気急上昇アニメ「SPY×family」の主題歌Official髭男dismの「ミックスナッツ」。
アニメ「東京卍リベンジャーズ」に引き続き、大人気アニメ主題歌に選ばれる理由とは一体なんでしょうか。
音楽的にも難しい”髭男音楽”が愛される理由、そして「ミックスナッツ」に込められた秘密を考察してみました。
◆”髭男音楽”が愛される理由
Official髭男dismさんは2018年月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌に「ノーダウト」選ばれ、ブレイクを果たしています。
それからというものヒット曲を数多く生み出し、日本で愛されるバンドへと急成長。
その“髭男音楽”が愛される理由として、考えられるのは2つ。
- とにかく曲が印象に残る
- 歌詞選択が絶妙
皆さんもどこかで感じているのではないでしょうか。
なぜか頭に残る、歌いたくなる、その謎を解明します。
印象に残りやすい音楽の特徴として、「わかりやすい・単純な音楽」というのが重要になります。
伴奏の上でメロディが引き立つように、音の移動も単純明確、そしてメロディの反復があれば自然とそれだけで頭に入ります。
英単語の暗記、掛け算のように、何度も繰り返しインプットした記憶はそれだけ長く残るものですよね。
1度曲を聴き、同じフレーズが何回も登場すれば、覚えようとしてなくても勝手に覚えているということです。
そして歌詞もわかりやすく、難しい比喩と違って心にすんなりと入ってきます。
この2つが多くの人の心を奪ったのでしょう。
◆「ミックスナッツ」に隠された秘密
(SPY×familyとの繋がり関係)
タイトルの「ミックスナッツ」ですが、アニメ「SPY×family」のストーリーを見事に表すキーワードです。
アニメでは、スパイの父・殺し屋の母・エスパーの娘という、異色の家族が存在して物語が進んでいきます。
彼らは自分の本当の姿を隠しながら、お互いの利益のために幸せな家族を演じているのです。
それが「ミックスナッツ」とどう関係があるのかというと、歌詞を見ればよく分かります。
「袋に詰められたナッツのような世間では
誰もがそれぞれ出会った誰かと寄り添い合ってる
そこに紛れ込んだ僕らはピーナッツみたいに
木の実のフリしながら 微笑み浮かべてる」
ナッツを世間の人々と表し、そこに紛れ込んだ自分達異色の家族をピーナッツと表しているのでしょう。
ナッツは木の実ですが、ピーナッツは木の実ではなく豆類です。
そして、そのピーナッツが大好きな娘アーニャ。
異色の存在に興奮し、興味を持つアーニャの姿を重ねていると考えられます。
こういった興味深い曲の作り方をするのも、さすがは藤原聡さんです。
◆「ミックスナッツ」単純な音楽の裏にある音楽表現
(難易度Sで話を作ります)
先程、”髭男音楽”はわかりやすく単純な音楽だと言いました。
しかし単純な音楽こそ歌うのは難易度が高いのです。
それはなぜか。
高度なテクニックを使わずに、歌い方だけで音楽表現をしなくてはならないからです。
ビブラート、フォール、のようなテクニックを藤原聡さんはあまり使いません。
正確な音程、ハッキリとした言葉、フレーズ終わりの語尾、たったこれだけで音楽を表現します。
クラシック音楽に例えると「古典音楽」のようなものでしょうか。
お洒落な装飾音符・超絶技巧はなく、形式美の中で簡素・正確さが求められる。
現代の音楽でこのような曲の作り方をしているのはOfficial髭男dismさんならではですね。
クラシック界でも古典音楽は非常に難しいものが多く、演奏者を悩ませています。
単純でわかりやすいものには親近感が湧きますが、いざ自分が歌うとなると難関。
こういった心理を利用しているとしたら、恐るべし藤原聡さん…。
◆まとめ
Official髭男dismさん「ミックスナッツ」を見ていきました。
楽曲1つにも色んな思いが隠されていて、アーティストさんの得意とするテクニックが埋め込まれていたりします。
曲を深く知ることは、物語を見たり、読んだりするのと近いかもしれませんね。
これからもOfficial髭男dismさんの楽曲が楽しみです。
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